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すんのかい。せんのかい。2025年10月23日

いつもありがとうございます。

訳あって更新が遅れておりました。

坂城運輸株式会社でございます。

昨日SNSでこんな投稿を見ました。

『涼しくなってって言ったの! 

寒くなってなんて言ってないの!』

上手いこと言う方がいますよね。

多分に漏れず、というより長野県は他の地域よりも

それが顕著かと思います。

作業員たちは空調ベストから直で

冬制服になってしまった印象です。

さて、坂城運輸では今月も例の

重量道場が開催されました。

今月のテーマは『アンカー施工の手順について』

アンカーって何?

とお思いの方もいらっしゃるでしょうか。

アンカーボルト。

ホームセンターなどにも実はあります。

DIYなどされる方はビスやナット、ネジなどのコーナーで

見かけたことがあるかもしれません。

これどうやって何に使うのかな

なんて思っていませんでしたか?

簡潔に言うと床や天井、壁などにモノを固定する際に

『しっかり・がっちり固定』するための道具です。

差込んだ筒状のものが中でラッパ状に広がり

抜けなくなる、というイメージです。

工業機械はそもそもその自重によって

動くことは無いことからマウント(機械の土台・足のようなもの)に

乗っているだけ、という場合が多いですが

機械の種類によっては、その稼働時の振動に耐えるために

アンカー施工が必須になることも多いのです。

もうどんなに機械が揺れても動かないように

既存の床(コンクリート基礎など)に孔(あな)をあけて

ボルトによって機械を固定しておくためのもの

とイメージしてください。

様々なタイプがあり強度も施工方法もそれぞれです。

今日習うのは坂城運輸の現場で使う事の多い

【グリップアンカー(金属系・本体打ち込み式)】

【オールアンカー(金属系・芯棒打ち込み式)】

【ケミカルアンカー(接着系・回転/打撃式)】

 の3種類。

何だか字面だけでカッコいいですよね。

回転打撃式。

まずはグリップアンカーから。

重量課課長の解説の元

【あと施工アンカー施工士】有資格者である

熟練職人Oさんの実演です。

どのタイプのアンカーも、まず最初に施工場所を決めて

アンカードリルで孔をあけます。

グリップアンカーは開ける孔の深さが肝になります。

浅すぎても深すぎてもだめ。

『ここまで』という印をドリルピッドに付けておきます。

差込むアンカーで測っておくのですね。

↑ 開けた孔にアンカーを差込む。

↑ そして打ち込む。

この打ち込みによってアンカーの先が

孔内で広がるのですね。

綺麗です。

決めたポイントからドリルの中心がずれることなく

尚且つ真直ぐに孔を開けていくのにも

知識や経験、コツが必要です。

共同作業者がいる場合は連携することも必要。

先輩たちの教えてくれる『コツ』の数々は

なるほどそうか、という貴重なものばかりです。

手順をひとつずつ説明していくと

ただのアンカー施工マニュアルになってしまいそうなので

割愛しますが。

さてさて。

【やってみせ】【言って聞かせて】のあとは

【させてみて】です。

若手たちが順に挑戦していきますよ。

先輩たちの『上手いなぁ』と思うのは

上手くできない部分を残しておく指導

と言うのですかね。

や。上手く言えてないですね。

失敗を経験させてくれる指導、というのか。

その匙加減。

『何がいけなかったのか』

『何を注意しておけばもっと上手くいったのか』

を本人に考えさせる余白がちゃんとある。

で、倉庫の床にガンガン構わず孔を開けてしまう

ワイルドさ。

しかもこれ倉庫の隅っことかではなくて

入口の一番いいとこですよ?

続いてはオールアンカー。

オールアンカーは孔が深くなってしまっても

ワッシャーとナットで上下位置を調整できるので

失敗率は低めです。

お判りですかね。

左のアンカーはまだ孔に差し込んで深さを調整しただけ。

中央の芯棒を右のアンカーのように打ち込むことで

中で広がって固定されます。

写真では分かりずらいですが

最終的にボルトのらせん状の溝が2~3周分ナットの上に

出ているのが理想なのだそう。

理由を聞こうとしたら被せ気味に

『見た目!』とのこと。

なるほど。

プロがする仕事。

結果固定されていればよし、ではない。

仕事の速さ、仕上がりの美しさという

付加価値をつけることも仕事なのですよね。

そして最後はケミカルアンカー。

ケミカルという名前の通り

開けた孔に差し込むのは

試験管のようなカプセル状の筒。

中には化学反応で凝固する薬品が入っています。

そのカプセルをボルトによって打ち破って

孔内を薬品で満たして凝固させてしまうのですね。

薬品が溢れてきているのが見えるかと思います。

最後に

■実際の現場はもっと狭いこと

■傷つけてはいけない機械がすぐそばにあるということ

■床下に鉄筋が走っていて、思うように

 打ち込めないことがあること

■ドリルピッドが例えば鉄筋などに引っ掛かって

 ドリル本体が回転してしまう場合の危険 

 (腕を持っていかれるなど)

などを教わり

『あとはもう数こなして、たくさん失敗して覚えるだわ』

という言葉で締められました。

いつか言いたい憧れの台詞です。

今回の道場も若手たちには貴重な体験でした。

でも。

次の現場でもアンカー施工を実際にやるのは

先輩たちかもしれない。

ただ、今回実際に手順を知って

更に一度自分が体験しているだけで

今後、先輩の施工を見るその

『見方の質』がきっと違いますよね。

もしかしたら

『僕にやらせてください』と

踏み出す勇気にもなるかもしれません。

今日習ったこと体験したことを

日々に任せて忘れていくのか

反芻して反芻して反芻し続けて

現場でのチャンスを狙うのか。

そこはもう受け取る側次第と思います。

若手のみなさん

今日の道場の様子はほぼ全編

動画に記録してありますよ。

保存しておきますからね。

ではまた、次の記事でお会いしましょう。

本日もご安全に。

お風邪などひきませんよう。

あ。

気になる方は気になっていたかもしれない。

倉庫の入口にオールアンカーや

ケミカルアンカー打ちつけちゃって。

ええ。私も撮影しながら思ってましたよ。

これどうするんだろう。

どうしたんでしょう。

その答えは

ぶったぎる。

ワイルドだろー?

カテゴリー:教育・研修。
重量機械_据付作業*紹介*2024年12月10日

こんにちは!坂城運輸です☆

 

本日は、機械の据付(すえつけ)作業の様子を

ご紹介したいと思います♪

 

 

 

 

*据付作業とは

 

据付という言葉は普段、聞き馴染みのない方も

多いかと思いますが、機械を特定の場所に固定する

という意味が有り、弊社の重量部では日々5t~20tクラスの

機械を様々な道具を使って全国の工場へ搬入・据付します。

 

 

 

 

この、重量のある機械を搬入・据付する業界を

「重量屋」、その職人たちを「重量鳶」と

呼ぶことも有り「表舞台で派手に目立つ」業界

というよりも、まさに裏方に徹し「職人の技で勝負する」業界です。

 

 

 

 

*実は繊細な作業

 

機械は、重量があるだけにサイズも大きく、使う道具も

大きかったり、重かったりするので豪快に作業を行う

イメージがありますが、実は繊細で緻密な現場なのです。

 

 

空いた隙間は5cm程度

 

 

見た目は人の何倍も大きく、

重さも20t近くある機械も、工場内から搬出するときは

このように、指1~2本分しか空かないことはザラにあり、

時にはバラして(分解して)まで、作業を全うします。

 

 

 

 

*大事なのは「重心」*

 

また、この重量作業は「重心」というものが非常に

重要なポイントであり、機械・物体の重心がどこに

あるかを見極めるのが重量仕事のミソになってくるのです。

 

 

重心を見極めて起こしたり倒したりしている様子

 

 

この重心を見誤ると、機械がどちらかに振れたり

倒れてしまうことがあるので、どんなベテランでも

重心の見極めは、細心の注意をはらって行います。

 

 

この重量作業は「構造力学」や広く言えば「応用力学」と

密接な関係があり、支点・力点・作用点やシーソーの原理、

パスカルの原理など、実は学問チックに科学できる分野でもあります。

 

が、そこを経験則で読み当てることが出来るのが

重量職人の持つ「技」ですしロマンだとも思います☆

 

 

 

 

さて、ここからは

そんな弊社重量作業員たちが今年行ってきた

「難現場」達の紹介を画像で紹介していきます*

 

 

 

特殊な現場も多いので、

一見「何してるか分からない」かも知れませんが

もし「重さ10tの機械を、この位置ピッタリに置いてください」

と依頼されたという前提で、考えながら見ていただけると、

少しだけご理解いただけるかも知れません♪

 

恐らく「何を使ってどうやって持ち上げよう・・・」から

始まると思います(!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

本日は、重量作業の現場を少し詳しく

ご紹介してみました。

いつか、マツコの知らない世界で取り上げられる

ことを祈りながら、今回さかうん通信に載せさせて

いただいておりますw

 

 

 

 

この重量作業、いつも知らない方にお伝えするのは

例えば工場勤務が「授業」だとしたら、重量屋の仕事は

「文化祭」や「部活」だと思ってください、とお伝えしています。

 

 

授業で活躍する人と、文化祭や部活で活躍する人って

少し違うじゃないですか。(まれに両方いますが!)

 

 

チームで大きな機械を搬入したあとの達成感は、

「クラスみんなで1つの事を成し遂げた時」の、

「部活で正念場の試合に勝った時」の、

その青春感にそっくりなのです。。。

 

社会人になって、こんな達成感を感じられるとは

思っていませんでした。大変なことも多いですが、

こんな感動がある業種に出会えたことは幸せです。

 

 

さて、

そんな坂城運輸の重量部も

一緒に働く方を大募集しています!♪

何も経験は無くても大丈夫です^^

(というか経験があってくる方は、ほぼ居ません笑)

 

興味がある方なら、誰でもエントリーできますし、

機械理解がものを言う世界なので

工業科卒業の方や機械工経験者、機械設計を

されていた方の募集も強化中です☆

詳細は、求人採用ページにてご確認ください♪

 

どんな車両有るんですか、など会社見学から

でもOKです♪ お気軽にご連絡ください^^

 

 

では、また次の記事でお会いしましょう!

ご安全に☆

カテゴリー:現場レポート。
大きな機械と大きなフック2023年12月5日

こんにちは! 坂城運輸です。

『重量物(じゅうりょうぶつ)』が、どんな物かご存じですか?

読んで字のごとく『とても重たい物』を指した言葉です。
一般的には、ぎっしりと中身の詰まった重たい段ボール箱~冷蔵庫・洗濯機などの大型家電まで含まれているようですね。

しかし、坂城運輸が取り扱っている重量物は、それよりも、もっともっと!
大きくて重たい物を指します。


人間の力だけでは持ち上げることのできない、何トンもの重さのある機械。

人間の力だけでは運び入れることのできない、大きな大きな機械。


そういった物を運搬・設置させていただいております。




さてさて、そんな大きくて重たい物体を、
一体どんな風に建物の中へ運び入れているのでしょう?



1.普通に搬入口から
2.空から
3.坂城運輸のシンボル・象に協力を要請する




はい!
1は正解、2はちょっとニュアンスは違うのですが、
これも……間違いではありません。
(個人的には3が良いですが、気軽に運搬をお願いできる顔見知りの象がいません)


通常は、搬入口から機械を運び入れるんです。
地上(1階)にあり、搬入口の広さが十分ある現場ならば話は早い!
でも実際には、建物の2階部分に設置をしなければならなかったり、
その搬入口がお運びできるギリギリの幅であったりと現場によって様々です。



前振りが長くなってしまいましたが、
今回は、そうしたシーンを想定した訓練の模様をお知らせします。



テーマは……


「階上にある、搬入口の狭い現場に重量物を運び入れる」


でございます!
(空から、というのが間違いではないというのはこういうことなのです)


多くの仲間が見守る中、訓練がスタートしました。


何をしているかこの角度からだとよくわかりませんね。
別角度からの写真を用意する前に、まず図説を……。

1.クレーンで機械を吊ります
(クレーンを操作する人がクレーンの傍にいます)

2.倉庫の中にいる人が、

  フックに滑車が付いた非常に丈夫なチェーン
  を使って機械を中へと引き入れます。
  (チェーンブロックといいます)

倉庫のシャッターは好きな位置で『開いた状態』のまま留めておくことができるので、作業難易度の調整に使います。


作業難易度:低■□□□□____シャッターが全開
作業難易度:高■■■□□____シャッターが半開き
作業難易度:難■■■■■____シャッターがギリギリしか開いていない

※挑戦する人の熟練度でシャッターの開き具合を調節します。

班ごとに分かれ、皆で声掛け協力をしながら、
難しい訓練を乗り切ることができました。

カテゴリー:教育・研修。
重心2023年11月15日

こんにちは! 坂城運輸です。


春の訪れとともに、新入社員・若者を中心に
技術を磨く特別訓練をしている模様をお知らせしましたが……
覚えておられますか?


季節は巡り、すっかり雪の便りが聞こえる季節となりましたね。


坂城運輸では、あれからも定期的に研鑽を積んでおります。
若手のスタッフだけでなく、ベテランのスタッフも一丸となって、技術を磨くための特訓を行っております!


今回の特訓のテーマは、


「重心の偏った重量物を、クレーンを用いていかに水平に吊り上げることができるか」


です!


坂城運輸で扱う重量物は、大きさも形も、実に様々な物があります。


■■■重・心■■■

左右対称!
重心がピッタリ真ん中!

■■■重・心■■■

という物ばかりならば良いのですが……。


現物は、極端に左側が重たい機械だとか、
やや右寄りに重心のある物だとか、一筋縄ではいきません。

まずはベテランのスタッフがお手本を見せます
若手もそれに続きます



実際にやってみるととても難しいこの重心の特訓。


お客様からお預かりした大切なお荷物には精密機械も多く、
極端に傾けてしまうわけにはいかないのです。


本番さながら、皆一様に真剣な表情で頑張ります。


こうした積み重ねが、現場で発揮される日も遠くない未来のはず。
来年の春には、しっかりと地面に根付いた大きな芽が花開くことを願って――。


坂城運輸のスタッフ一同、今日も明日も頑張ります!

カテゴリー:教育・研修。
研修会2023年4月15日

「若手が早く一人前に育って欲しい」

「人はいるけれど、どうやって育てたら良いか分からない」

 

これはどの業界にも当てはまる思い・悩みではないでしょうか。

 

弊社「重量部」も例外にもれず同じ悩みと思いを抱いていました。

ただ、思っていても始まらない…。何か行動を起こす必要がある…。

思い立ったが吉日、先日、あえて若い世代だけ集めて研修会を行いました。

講師はベテラン先輩達。

 

まずは機械操作を覚えるべく、ユニック車で本物の機械を吊り上げ、

荷台に乗せるところから。

ミソは、本物の機械を使うところ。(もちろんスクラップですよ^^)

疑似のものでは、どうしても緊張感が出ない。

実際に、研修を受けている若者達の顔は真剣そのもの。

 

 

「旋回します!」

 

 

「巻きます!」

 

 

自然と声も出てきていました。

講師陣も、基本的な性能から発展的な応用、あえての危険動作など、分かりやすく教えてくれました。

中々現場でゆっくり教えることは出来ないので、社内で行う大きなメリットですね。

 

我々の仕事は、お客様に対して「安全に仕事を終える」ことが大前提です。

そのためにはあえて「危険」を知る必要がある。

坂城運輸重量部は、本気でお客様の為を考え、実行していきます。

 

 

まだまだこれから育っていく期待の世代。

この種まきが果実として実るのは、けして早くはないのかも知れませんが、

日々の変化を受け止め、小さな改善を繰り返していく根気と、

コミュニケーションが大切なのだな、と改めて実感した一日でした。

 

どの業界も良い人材が育ち、経済全体が良い循環になっていくことが理想ですよね。

我々も一緒に悩み、社会に存在する一つの会社として、もっと成長していけたら嬉しいです。

では、また!

カテゴリー:教育・研修。

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FAX.0268-82-7165

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